ファクタリングとは
近年、ニュースやインターネットでよく目にするようになった「ファクタリング」。
一体どのような取引なのか、また、どのようなシーンで真価を発揮するのか。
当サイトでは、商取引・民法の基礎をおさらいすると共に、ファクタリングの仕組みやメリット・デメリット、マッチするシーン等について分かりやすく解説してまいります。
よくある質問5選をチェック!
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ファクタリングとは何ですか?
ファクタリングは、簡単に言うと「売掛金」「債権」を期日前に売却し、現金化を図る資金調達方法です。
2社間ファクタリング・3社間ファクタリングと呼ばれる2つの方式が存在しています。 -
ファクタリングにはどのような特徴があるのでしょうか。
ファクタリングは債権の売買です。
そのため「負債にならない」「利用者側の信用情報(クレジットヒストリー)が影響しない」といった特徴があります。 -
手数料の目安について教えてください。
2社間方式で3~30%・3社間方式で2~20%が相場です。
売掛金の支払期日や金額に応じて手数料が大きく変わりますので、事前に見積りを取った上でご利用するかどうかを判断しましょう。 -
売掛先が倒産した場合はどうなりますか?
ファクタリングには手形割引時のような「遡求請求権」がありません。
したがって、仮に譲渡した債権に「債務不履行」「不渡り」があったとしても、債権を譲渡した人や会社が責任を負うことはありません。 -
個人事業主でも利用できますか?
ファクタリングは「売掛金」「未収金」さえあれば利用できますので、原則として個人事業主であってもご利用が可能です。
ただし、ファクタリング会社の中には個人事業主をNGにしているケースもありますので、事前にご確認ください。
債権とは?売掛金・未収金の基礎知識
債権とは、簡単に言うと「何かをしてもらえる権利」のことです。(民法では権利を持っている人や会社のことを債権者と呼び、義務を負っている人や会社のことを債務者と呼びます。)
前述した売掛金や未収金は“お金を受け取れる権利を持っている”ということになり、特定のサービスを受けることができる権利や利息を受け取る権利なども債権に当たります。
売掛金と未収金
商売をする方でしたら一度は目にする「売掛金」「未収金」の文字。
物を売った・役務を提供した等で相手方に何らかの利益が生じた場合、利益を受けた側は約定した条件に則った「対価」を支払わねばなりません。
ここで問題になるのが、どのようにして代金を支払うかです。
仮にサービスを受ける側が個人であった場合、お財布からお金を取りだし直接支払う、クレジットカードで支払う、はたまた電子マネーで支払うなど様々な方法が考えられますが、企業間取引の場合はそうはいきません。
もちろん1回限りの取引であれば現金や即振込等も考えられますが、反復継続して取引をするようなケースの場合、都度代金を支払うのは大変な手間ですし、コストも掛かります。
そこで、多くの企業では「掛け取引」と呼ばれる方法を採っています。
これは、例えば“毎月末日締め・翌月末日払い”といった取引方法です。
▼掛け取引の例
A社はB社に対し、1月1日・1月10日・1月20日に商品を販売し、商品代金は合計して50万円だった。
A社とB社は売買基本契約書を締結しており、代金の支払いは毎月末日締め・翌月末日払いだった。
したがって、1月中に販売した商品代金50万円については、2月末日に振り込まれた。
なお、営業取引によって得た債権のことを「売掛金」、土地・建物・車といった資産の売却代金の債権のことを「未収金」と呼ぶのが一般的です。
それでは基本を抑えたところで、実際にファクタリングがどのような取引なのか、次項目で詳しく見ていきましょう。
ファクタリングは債権の売買
ファクタリングは、金銭債権を専門業者に売却しその対価を得るという金融取引です。
売却と聞くと「物とお金の交換」をイメージする方が多いかと思いますが、債権や著作権などの「目に見えないもの」であっても、法律では譲渡が認められています。
なお、民法では債権の売買のことを「債権譲渡」と呼び、ファクタリング契約も債権譲渡に似た法律構成です。
しかしながら、民法には「ファクタリング契約」などの規定がありません(非典型契約)ので、売買契約や債権譲渡などの規定を組み合わせた内容となっています。
ファクタリング2社間・3社間の違い
ファクタリングには大きく分けて「2社間取引」と「3社間取引」があり、それぞれで特徴・メリット・デメリットが異なります。
債権譲渡では、債権を売る人を譲渡人(債権者)・債権を買い取る人を譲受人・売掛金を支払う人のことを債務者と呼びます。
債権譲渡は、債権者が譲受人に債権を譲渡し、その旨を債務者に通知若しくは譲渡に対する同意を貰わねばなりません。
これは、通知や同意をしないと債務者は誰に返せばよいのか分からなくなってしまうためです。
そして2社間・3社間は、まさしくこの「登場人物達の数」を表していると言えます。
どのような取引なのか・どのような流れで契約が進んでゆくのか、図解を交えて確認してまいりましょう。
2社間ファクタリングとは
2社間ファクタリングとは、債権を売りたい企業とファクタリング会社の2社間で行われる取引のことをいいます。
つまり債務者の同意や通知を経ずに行われるため、債務者は債権が譲渡されたことを原則として知ることはありません。
債務者から譲渡人に売掛金が支払われたら、譲渡人はファクタリング会社に対して当該売掛金を引き渡す義務があります。
2社間ファクタリングのメリット・デメリット
2社間ファクタリングのメリットは、何と言っても「債務者側に債権譲渡をしたことが知られない」という点でしょう。
「今月の支払いは弊社ではなく○社までお願いします」との連絡を受けたら、経営が厳しいのではないか・倒産の恐れがあるのではと考えるのは至極当然のことです。
さらに、例えば債権者が下請会社であった場合、親会社に対して同意又は通知をしなければなりませんので、今後の関係に影響を及ぼす可能性も否定できません。
これらの手続きを省略できるのは、利用企業にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、ファクタリング会社には「債務者から売掛金が支払われるかが分からない」「回収した売掛金が譲受人から引き渡されるか分からない」というデメリットがあります。
取引額が数千万以上に及ぶことも珍しくないファクタリング取引において、これらは非常に大きなリスクであると言わざるを得ません。
そのため、2社間方式は3社間方式に比べて手数料が高く設定されているのが通常です。
3社間ファクタリングとは
3社間ファクタリングとは、文字通りファクタリング利用企業(債権者)・ファクタリング会社・売掛先(債務者)の3社間で行われる取引です。
2社間ファクタリングとの最も大きな違いは「債務者に債権譲渡があった旨を通知又は譲渡に対しする同意を得なければならない」という点でしょう。
当該手続きを怠ってしまうと、債務者は誰に支払えばよいのかが分からなくなってしまうためです。
最終的には、債務者から直接ファクタリング会社に売掛金が支払われるため、民法の原則に従った契約(債権譲渡)と言えます。
3社間ファクタリングのメリット・デメリット
2社間方式に比べて手続きは煩雑になるものの、債務者から直接売掛金を回収できるため、ファクタリング会社側は比較的低リスクで債権を買い取れることになります。
そのためファクタリング手数料が2社間方式よりも低く設定されており、コスト面に優れているという特長があります。
なお、債務者が国や地方公共団体だった場合は「倒産リスク」「債務不履行リスク」がなく、ほぼ100%回収が可能です。
したがって、ファクタリング手数料が3%前後にまで下がることも珍しくなく、例えば診療報酬債権や介護報酬、インフラ整備等の請負費用の場合は3社間方式が多く選ばれています。
ただし、取引相手にファクタリングを利用したことが確実に知られてしまいますので、状況に応じて使い分ける形が望ましいです。
状況に応じてベストな選択を
各方式のメリット・デメリットは上記の通りです。
取引方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
2社間ファクタリング | ・取引相手に債権譲渡が周知されない ・スピードに優れている |
手数料が高い(5~30%) |
3社間ファクタリング | 手数料が低い(2~20%) | ・取引相手に債権譲渡が周知される ・2社間に比べ手続が煩雑 |
ファクタリングは数ある資金調達方法の中でもスピードに優れた金融取引と言えますが、どの方式を選ぶかによっても異なります。
また、前述した通り取引先の周知の有無は今後の取引に影響を与えかねない大きな問題ですので、メリット・デメリットをしっかりと把握した上で検討するようにしてください。
はじめてファクタリングをご利用される際は、2社間・3社間双方に対応しており、かつ、事前相談もしっかりと受けてくれるファクタリング会社を選ぶことを強くおすすめいたします。
ファクタリング会社選びのポイント
評価の高いファクタリング会社を選んだとしても、その企業が必ずしも依頼者の希望とマッチするとは限りません。
業者を選定する際にどのような項目に注意すべきなのか・サービスにはどのような違いがあるのかなど、ファクタリングを利用する際に最も重要と言っても過言ではない「ファクタリング会社選び」について解説してまいります。
サービス内容の違いについて
2017年ごろからファクタリングサービスは急激に普及し、現在では日本全国に多数のファクタリング会社が存在しております。
各ファクタリング会社によってサービス内容は大きく異なり、今やファクタリングを利用する上で比較・検討は欠かせません。
同じファクタリングサービスではあるものの、具体的に以下の点については大きな違いが見られます。
ファクタリング手数料
サービスを利用した際に支払う「手数料」は、ファクタリング会社によって大きく異なります。
手数料が低ければ低いほど財務状況の改善がしやすくなるのは言うまでもありませんが、債権の性質や内容、期日の到来日がいつか等によって大きく変動しますので、一概に“いくらが相場”とは言い難い項目です。
とにかくコストを抑えたい、というシーンであればいくつかのファクタリング会社に見積りを依頼し、最も買取金額が高い業者を選ぶと良いでしょう。
取り扱うファクタリング方式
ファクタリングには、大きく分けて2社間方式と3社間方式があります。
2社間方式はファクタリング会社と債権者(債権を売りたい会社)のみで行われる取引、3社間方式は債務者側(取引先)に債権譲渡を通知又は承諾を得た上で進められる取引のことをいいます。
そのため、取引先にファクタリングを知られたくない場合は2社間ファクタリングを選ぶのが一般的です。
ファクタリング会社の中にはいずれか一方しか扱っていない場合がありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
買取可能な債権かどうか
債権によっては買取が断られてしまう恐れがあります。
例としては、介護や診療で生じた医療報酬債権や海外企業に対して有する売掛金などの「専門性の高い債権」が挙げられます。
特殊な債権の場合、当該分野に特化したファクタリング会社を選んだ方が、取引がスムーズな上に買取金額も高くなりやすいです。
また、近年では「注文書」「発注書」といったように、請求書を発行していない段階でも買取に応じているファクタリングサービスも登場しています。
状況に応じで上手に使い分けるようにしましょう。
対応エリア
ファクタリング会社の多くは全国対応となっておりますが、旅費・交通費は実費請求(利用者負担)となるのが一般的です。
そのため、コストを抑えるのであれば地元の業者も選択肢に入れておくと良いでしょう。
また、最近ではweb上の手続きのみで全てが完結する「オンラインファクタリング」というサービスも登場しております。
ファクタリング会社に足を運ぶ時間がない、手続きをサッと済ませたい、という方は当該サービスも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
実績・信頼性のあるおすすめ会社3選
「やっぱりどのファクタリング会社が良いのか分からない!」
という方は信頼性に富んだ実績のある会社を選ぶと良いでしょう。
以下の3社は運営歴が長く、実績や信頼性に優れているファクタリング会社です。
それぞれの特長について詳しく解説してまいりますので、気になった業者がありましたら是非公式ホームページの方もチェックしてみてください。
アクセルファクター
会社名 | 株式会社アクセルファクター | ||
所在地 | 東京都新宿区高田馬場1-30-4 30山京ビル5階 | ||
手数料 | 2~15% | オンライン対応 | 可能 |
お勧めの事業形態 | 小~大規模企業 | 即日振込 | 可能 |
アクセルファクターは、高田馬場(東京都)、仙台(宮城県)、名古屋(愛知県)、心斎橋(大阪府)の計4か所に事務所を持つ大手ファクタリング会社です。
“お客様の立場になって考える”という経営理念の通り、誠実かつ臨機応変な対応・リーズナブルな手数料設定・即日振込も可能なスピードなど、どれを取っても業界トップクラスと言えます。
他のファクタリング会社と比べると運営期間こそ短いものの、その持ち前の対応力で多くのリピーターを獲得しています。
併せてコンサルタント業も営んでいるため、長期的なキャッシュフロー・財務改善をお考えであればピッタリのファクタリングサービスです。
BestFactor
会社名 | 株式会社アレシア | ||
所在地 | 東京都新宿区山吹町261トリオタワーノース4F | ||
手数料 | 5~20% | オンライン対応 | 可能 |
お勧めの事業形態 | 小規模企業 | 即日振込 | 可能 |
BestFactor(ベストファクター)は、建設業や運送業等の債権はもちろん、診療報酬・介護報酬といった医療債権の買取にも対応しているファクタリング会社です。
2%~という非常にリーズナブルな手数料も相まって、利用可能な企業の範囲は広いと言えるのではないでしょうか。
なお、同社では「とにかく分かりやすく、簡単に」をコンセプトにしており、エビデンス資料が非常に少ないという点も大きな魅力です。
ウィット
会社名 | 株式会社ウィット | ||
所在地 | 東京都品川区東五反田1-6-3 いちご東五反田ビル3F | ||
手数料 | 5~15% | オンライン対応 | 可能 |
お勧めの事業形態 | 小・中規模企業 | 個人事業主 | 可能 |
比較的運営規模が小さい又は個人事業主の方は「ウィット」がオススメです。
小口から大口まで幅広い債権に対応している上、法人・個人を問わずご利用できます。
また、最短2時間振込のスピーディーな対応に加え、契約手続きはスマートフォンからOK・LINE相談可など、他社には真似できない魅力のサービスが満載です。
利用する上で重視すべき項目
まずは、ファクタリングを利用する上で“何を重視するのか”を決めましょう。
「1分でも早く資金調達がしたい」「時間はかかってもよいので高く買い取ってほしい」「簡単に手続きができるのか」など、どのような項目を重視するのかはご利用時の状況によって異なります。
手数料や取り扱い業務といったサービス内容、実績、対応エリアなど、各社の特徴やスペックを確認し、マッチするサービスを選ぶようにしてください。
相見積もりも忘れずに
繰り返しお伝えしてきた通り、ファクタリング会社によって得意な分野や手数料、買取の可否は異なります。
債権額によっては数十万円ないしは数百万円もの差が生じることも珍しくはありませんので、候補(3~5社が目安)のファクタリング会社全てから見積りを取るようにしましょう。
また、長期的な財務改善を視野に入れている場合、3~6か月間はファクタリング会社を利用することになります。
このような利用方法をお考えの際は、その旨も必ず伝えるようにしてください。
ファクタリング手数料を下げてもらえる可能性に加え、財務コンサルタントにも対応している会社であれば改善の提案が受けられます。
ベストマッチするファクタリング会社は必ずありますので、できるだけ即決はせず、時間をかけて選定することを強くお勧めいたします。
悪質会社を見極めるには
ファクタリングは銀行や大手消費者金融でも取り扱っている正当な金融取引ですが、一部では「実質的な貸金業」「高額手数料」「リスクを利用企業側に負担させる」といったような違法又は悪質な運営がなされているケースがあります。
ご利用の前に、優良会社の選び方や闇金が蔓延る理由等について知っておきましょう。
違法ファクタリング会社が多い理由
まずは「何故ファクタリング業界には違法業者が多いのか」について解説いたします。
2017年頃から中小企業を中心にファクタリングを利用した資金繰りが流行し、現在では日本全国に多くの専門会社が存在するようになりました。
流行に至った要因としては「手形取引の衰退」が第一に挙げられます。
今もなお一部の業界では利用されておりますが、連鎖倒産を招く恐れ・手形詐欺や粉飾決済に用いられるなど問題の多い金融取引のため、全盛期に比べると取引高は4%程度にまで減少しています。(ピーク時の取引高4,797兆円に対し、2019年は183兆円にまで減少)
一方で、ファクタリングは取引先に通知をしない独自のスキーム(2社間ファクタリング)や、手形とは異なり債務者が仮に破綻しても責任を負う必要が無い点などから、手形に変わる資金調達方法として広く活用されるようになっています。
ただし、ファクタリングは急速に普及したため、法整備が追い付いていないという懸念があり、一定数の悪徳業者の存在には注意が必要です。
悪徳業者が増えている理由として、以下の要因が考えられます。
許認可が不要
特定の業種を営む場合には、然るべき機関から許可・認可・登録等(以下総称し「許認可」と呼びます)を得なければなりません。
許認可を取得するための要件はそれぞれ異なりますが、例えば建設業許可を取得するのであれば資格や経験を持つ専門家を現場ごとに配置する必要がありますし、宅地建物取引業を営むのであればスタッフの数に応じて宅地建物取引士が必要です。
なお、ファクタリングに近い取引として「貸金業」が挙げられますが、当該事業を営むには貸金業取引主任者の設置、独立した事務所の用意、顧客の管理情報が適切に管理されているか、事業を営むだけの資産を有しているか等が厳しく審査されます。
特に資産については「純資産が5,000万円以上」と非常に厳しく、当該要件を満たせずに許認可取得を断念する企業も少なくありません。
一方でファクタリング業を営むのに許認可は不要であり、資格者の配置や資産要件が無い上、レンタルオフィスでも運営が可能です。
つまり経験がない人でも簡単に参入できてしまうため、サービスの質に差が生まれやすい要因と言えます。
闇金業者の参入
1980年から2000年かけ、10日で1割(トイチ)・10日で5割(トゴ)といった莫大な金利にて貸し付けを行う違法業者が急増しました。
これらの違法業者のことを「闇金」又は「ヤミ金」と呼び、暴利のみならず、暴力や脅迫を用いた債権回収やその家族や親族にまで取立てを行うなど、被害者が後を絶ちませんでした。
そこで、より罰則を強化した貸金業法(通称ヤミ金融対策法)が平成17年1月に施行され、ようやく事態は収束に向かいます。
無登録や高金利貸しによる検挙は平成20年で398件、平成29年では135件と年々下がっており、闇金融は現在ほぼ壊滅状態と言っても過言ではありません。
一方で「闇金融に類する摘発事例」が右肩上がりに増えています。
例えば、フリマアプリで現金を販売して実質的な金利を得る・ファクタリングを謳って顧客を誘引し金銭を貸し付ける(偽装ファクタリング)・手数料を割り引いた上で給料を買い取る(給料ファクタリング)などの違法貸付がこれにあたります。
このように、違法な貸し付けを続ける業者は今もなお一定数存在しており、その手口の一つとしてファクタリングが悪用されてしまっているのが現状です。
優良・違法を見極めるポイント
先般お伝えしてきました通り、ファクタリングには許認可等が必要ありません。
そのため、行政の公式ホームページから業者検索をしたり許可申請書を閲覧したりすることができず、どの程度の事業規模を有しているのか・どのような組織体制で事業を営んでいるのか等、客観的な判断が難しいと言えます。
それでも、違法業者でないかどうかを判断するポイントは存在しています。
ご利用の際は以下の点についてチェックしてみると良いでしょう。
事務所の住所で検索
ご利用前に、まずはファクタリング会社の「住所」「所在地」を検索してみましょう。
レンタルオフィスは保証人・保証金無しで利用できるプランもあり、違法業者・悪徳企業の温床となっているケースが多くなっています。
また、個人の自宅で運営されているケースですが、こちらもレンタルオフィスと同様に実態が伴っていない可能性がありますのでご注意ください。
ただし、レンタルオフィスだから即座にNGという訳ではありません。
建物に入るためのセキュリティがしっかりとしている・個々の事務所に入口が儲けられているといったように、独立した形を保てているのであれば問題ないでしょう。
逆に、不特定多数の人が出入り可能なレンタルオフィス(オープンスペースなど)の場合、当該事務所は実態を備えていない可能性がある上、企業情報が漏洩する恐れがあります。
運営実績・創業時期
言うまでもありませんが、ファクタリング会社の「実績」は非常に重要です。
公式ホームページの会社概要を確認し、いつから・どのように実績を積んできたのかを必ず確認するようにしてください。
もちろん、運営期間が乏しいからといって直ちに悪徳業者に繋がる訳ではありません。
客観的な評価をしているポータルサイトや口コミサイト、SNSや掲示板なども確認すると良いでしょう。
しかしながら、必ずしも記載が真実であるとは限りませんので、ステレオタイプにならずあくまでも第三者からの評価として参考程度に留めましょう。
契約内容の確認
ファクタリングを騙った貸金業者(偽装ファクタリング)や、給料の早期現金化を謳った業者(給料ファクタリング)は、100%違法なファクタリング会社です。
偽装ファクタリングの特徴としては、
- 取引先が破綻した際に保証しなければならない(リコース有)
- 著しく高額なファクタリング手数料
- 契約内容が債権を担保にした貸付である
などが挙げられます。
まず、そもそもファクタリングには手形の「遡求権」がありませんので、仮に取引先が倒産してしまった等で売掛金が支払われなかったとしても、原則として売却した企業が責任を負うことはありません。
それにも拘わらずこのような約定があるのは、実質的な闇金業者である可能性が高いと言えます。
また、相場よりも著しく高いファクタリング手数料は、一時的に荒稼ぎをする悪徳業者である恐れがありますので利用を避けましょう。
さらに、債権を担保にした貸付は「債権担保融資(ABL)」と呼ばれ、貸金業法上の登録が必要です。
「貸付」「担保」等が見られる場合は貸金業登録がなされているのかを必ず確認し、万が一無許可業者である場合は絶対に利用しないようにしてください。
給料ファクタリングは違法です
給料ファクタリングは、文字通り「給料」をファクタリング会社に買い取ってもらい、早期に現金を手に入れる金融取引です。
給料の20~30%が手数料相場であるため、仮に30万円の給料を30%の手数料でファクタリングした場合、なんと9万円もの金銭を支払わねばなりません。
令和2年3月には給料ファクタリングを行うには貸金業許可が必要」との司法判断がなされており、貸金業未登録の場合は刑事罰の対象となります。
トラブルに巻き込まれてしまう恐れがありますので、絶対に利用しないようにしてください。
リスクを理解して利用しよう
ファクタリングには「スピードに優れている」「赤字でも利用できる」「オンラインで取引可能」など、数多くのメリットがある金融取引です。
一方で、1回あたりのファクタリング手数料が高い・悪徳業者が多いといったデメリット・リスクの存在も否定できません。
利用計画を立てる・ファクタリング会社の選定や相見積もりを実施する等、デメリットにもしっかりと目を向けるようにしてください。
また、ファクタリングをさらに詳しく知りたいという方は、専門家でもある「ファクタリング会社の解説」をチェックしてみるというのも一つの手です。
例えば、当ページでもご紹介した株式会社アクセルファクターでは公式ホームページにてファクタリングに関する基礎知識を細かく解説しております。
アクセルファクター公式HP(外部サイト)
ファクタリング
ファクタリングを上手に活用し、より安定した経営や売上アップを目指しましょう。