高額取引されている意外なものとは

買取金額を提示するビジネスマン

「役務や物品を提供し、その対価を得る」というのがビジネスの基本です。
売上金で事業を運営してゆくのが原則ですが、報酬や代金を受け取るまで現金が足りない・銀行から融資が下りないとスタッフの給与が払えない等、つなぎ資金が必要な状況に陥ってしまうことも珍しくはありません。
当ページでは、高額売却が見込める意外な資産についてご紹介していきたいと思います。

資産売却でピンチを乗り切る

資産売却を勧める女性

資産と聞くと不動産や貴金属などの「物」を想像される方が多いかと思いますが、実は債権や著作権といった「権利」も売却することが可能です。
具体的には、以下の財産は換価できる可能性が高く、さらに高額で取引されることもあります。

金銭債権は高額で取引

何かをしてもらえる権利のことを債権といい、売掛金や未収金などの金銭を受け取れる権利のことを「金銭債権」と呼びます。
金銭債権は特に高額で取引されており、例えば売掛金を売買して資金調達を図る「ファクタリング」では、額面の80~95%程度で取引されています。

なお、金銭債権以外の権利も売買が可能です。
例えば、著名人であれば「一緒に〇〇ができる権利」、飲食店であれば「1年間食事ができる権利」などを販売し、運営資金に充てるといったケースをよく目にします。
ただし、このような金銭債権以外の債権を販売する場合、よほどお得であるか、多くのファンがいる等でなければ成立しません。
如何に魅力的な提案ができるかが大きな鍵となります。

WEBサイト・SNSアカウント

SNSアカウントイメージ

PCやスマートフォンが普及したことにより、調べごと・ニュースのチェック・買い物など、様々なシーンでインターネットが活用されるようになりました。
インターネット需要の拡大に伴い、検索エンジン上で高順位が付いている又は有名なコンテンツなどのWEBサイトは高額で取引されています。

例えば、2018年にファミリーマートグループに統合された大手コンビニグループの「サークル・K・サンクス」のドメイン(circleksunkus.jp)は、オークションでなんと6,000万円を超える値が付きました。
もしかしたら、以前に作ったWEBサイトに知らず知らずのうちに高順位が付いており、高値で売却できるかもしれません。

また、最近では「SNSアカウント」も積極的に取引されています。
YouTube・Twitter・Instagram・TikTok等は、若者を中心に多くのアクセスを集められるコンテンツであり、広告戦略に於いて欠かせない存在です。
注目を集めた投稿は他のインフルエンサーによって拡散されたり、ネットニュースで取り上げられたりと、爆発的な広告効果を得ることもあります。

なお、SNSアカウントは「フォロワー数(登録者数)」「投稿数」「過去にどのような投稿をしてきたか」などによって価格が変動し、場合によっては数十万円乃至は数百万円の値が付く可能性も秘めています。

生命保険を活用した資金繰りも

もしも生命保険に加入中であれば、その保険契約が第三者に売れるかもしれません。
貯蓄型の生命保険の場合、契約満了に伴い支払った保険料の何割かを解約返戻金として受け取れますが、当然満期まで保険料を収めることが大前提です。

そこで、専門業者に解約返戻金を受け取る権利を売却し、期日前にまとまった資金を得るという方法(生命保険買取又はライフセトルメントと呼ばれている)があります。
生命保険の売買は海外諸国では一般的に行われている金融取引ですが、日本ではまだまだ馴染みのない契約です。
なお、保険の契約者変更の有効性が争われた裁判では「契約者変更の是非は保険会社の裁量の範囲内」との判断がなされ、明確に禁止する法律は今の所ありません。

しかしながら、生命保険買取は保険会社側に不利な契約となりますので、積極的に買取を行う専門業者がまだまだ少ないというのが現実です。
今後の法整備に注目しつつ、選択肢の一つとして覚えておいても良いかもしれません。

使わなくなった車両・備品の処分

使われなくなった重機

故障した車両や備品が驚くほどの高値で取引されることがあります。
例えば、インフラ整備を急速に進めている発展途上国では重機の需要が非常に高く、中古のトラック・クレーン等が驚くほどの高値で取引されています。
特に日本製の重機は壊れづらいと評判で「減価償却が終わったクレーンが数百万円で売れた」といったケースも決して珍しくはありません。

また、PCやスマートフォンが普及したことで個人間取引が活発となり、以前に比べて業者を通さなくとも売りやすくなりました。
個人間取引はトラブルこそ多いものの、業者に支払う手数料を節約でき、買取価格も実勢価格に近いものとなります。

同様に、備品も高額で売却できるかもしれません。
特に機械・設備については少しでも安く手に入れたいと考える企業は多いでしょうし、場合によってはマニアが高値を付ける可能性もあります。
さらに古い機械の場合は「部品取り」として利用されるケースもありますので、動かなくても諦めないでください。

供託金を譲渡

供託金とは、所定の事業を営む際や、債権者が誰か分からなくなってしまった場合に、国の機関にお金を預けておく制度のことです。
所定の事業とは、例えば宅地建物取引業や投資顧問業などが挙げられます。(宅地建物取引業は協会加入無しで1,000万円、投資顧問業は500万円)
これらの業種は利用者側が高額な損失を受ける可能性があるため、万が一に備えて予め国にお金を納めておかねばならないのです。

供託金は事業の廃止と共に返還されますが、返還までに数か月を要するのが一般的です。
その間、当該金銭は塩漬けの状態となってしまいますので、第三者に譲渡することで早期に現金化を図る(ファクタリング)という方法があります。
ただし、供託金の譲渡は然るべき手順を経る必要があり、事前に弁護士や司法書士などの専門家によく相談した上で実行するようにしてください。

事業の継続が困難になるケースも

リスクとお金

事業の要となる資産を売却してしまうと、当然ですが売上の低下にも繋がり、場合によっては事業の継続が困難となってしまいます。
現金が必要であっても、その場しのぎの資金調達となってしまっては本末転倒です。
資産売却をお考えの場合は、不要な資産であること・換金率や買取額が見合ったものであること・専門家(顧問税理士や弁護士など)の意見を聞くことなどを実践するようにしてください。

ファクタリングを利用するリスク

上記の中でも、金銭債権を売却することで現金を得る「ファクタリング」は、中小企業から特に多く活用されています。
金銭債権には、前述した“換金率が高い”という点に加え、売却しても直ちに影響が出る資産では無い・スピーディーに現金化が可能といった特性があるためです。
しかしながら、当然ですがファクタリングを利用すると本来得られるはずであったキャッシュが減ってしまうことになりますので、慢性的な利用は経営の破綻を招きます。

つまり、ファクタリングは言わば「病気を早く治すことが出来る代わりに副作用が強い特効薬」のようなものなのです。
ファクタリングを利用する場合は、徐々に利用額を下げる・全てを現金化せず最小限にとどめるなど、しっかりとプランを立てるようにしてください。