銀行融資とファクタリングの違い
ファクタリングは融資ではありません。
大手金融機関のファクタリングは申し込む事業者の与信も審査対象ですが、取引先の信頼性があれば赤字決算・税金滞納などの悪条件でも利用できるファクタリングサービスが多数あります。
銀行融資は名前の通り銀行が融資を希望する事業者などに対して貸付を行います。
貸付による資金調達は銀行融資のほか、信販会社・消費者金融などのビジネスローンもありますが、銀行融資は民間企業の融資に比べて審査が厳しいです。
つまり、同じ資金調達法でも銀行融資とファクタリングは大きな違いがあります。
コストの違い
銀行融資は借入のため貸付金利に応じた利息が発生します。
事業者向け銀行融資の金利は年利1~3%が相場です。
契約時の初期費用として、利息とは別に融資額の2~3%ほどの事務手数料などがかかる場合があります。
ファクタリングの資金調達コストは2社間・3社間や債権譲渡登記の有無で変わってきます。
昨今はサービスのIT化や競争激化によって、安くて登記不要&事務手数料無料のファクタリングサービスが増えて少額から手軽に利用できるようになりました。
ただし、銀行融資に比べてファクタリングはコストが高いです。
取引先に知られず利用できる2社間ファクタリングの手数料は、買取してもらう売掛債権の3~30%が相場になります。
翌月に入金予定の売掛金を継続してファクタリングし続けた場合は、年利100%以上のコストになってしまうので注意しましょう。
3社間ファクタリングの場合でも、1日あたりのコストは銀行融資の利息より割高です。
どちらがお得?
審査に通って時間や手間の問題をクリアできるなら、銀行融資の方がお得に資金調達できます。
ファクタリングは融資より割高ですが、簡単かつスピーディーに資金調達できるのがメリットです。
仕入れ代や外注費の確保をはじめ、資金ショートや未払いによる信用喪失のリスクを回避できれば、ビジネスに良い影響を与える資金調達になります。
赤字決算や僅かな利益しか出ていない場合でも資金調達できるので、節税対策と資金調達を同時にできるなら銀行融資よりも低コストだと判断してファクタリングを愛用する経営者も多いです。
その他の融資
融資は提供元に応じて銀行法・貸金業法・信用金庫法などのルールがあり、届出をしている金融機関か貸金業者でないと提供できないサービスです。
銀行融資のほか、信用金庫や信用組合、協同組合もそれぞれ異なる法律で管理されています。
ただし融資の法的な制度に大きな違いがなく、銀行・信用金庫など金融機関の融資を受けるのか、カード会社・消費者金融など貸金業者のビジネスローンを利用するかが重要なポイントです。
日本政策金融公庫などの公的融資を利用すれば、銀行融資よりも安い金利でまとまった資金調達をできる場合があります。
公的融資は事業計画書など提出する書類が多く、手間をかけるかコンサル会社などのサポートを受けないと審査に通りません。
金利と審査の関係性
融資だけで見ても様々な種類がありますが、低金利になるほど審査が厳しくて入金までに時間がかかります。
金利が高い融資は審査が甘くてスピード対応に強いです。
銀行融資や公的融資を受けるまでの期間だけ、金利が高いビジネスローンなどで資金調達して乗り切る”つなぎ融資”という方法があり、つなぎ資金をファクタリングで調達する方法も選択肢の一つです。
ほかにも資産の売却や不動産担保ローンなど様々な資金調達法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ファクタリングなど様々な選択肢を持ち、環境や状況に応じて適した資金調達法を選びましょう。