ファクタリング業種別活用事例
ファクタリングは売掛金さえあればご利用が可能な資金調達ですので、原則としてどのような業種・企業であっても問題無く、幅広いシーンで活用されています。
当ページでは特に需要が高い「業種」にフォーカスを当て、マッチする理由や活用が期待できるシーンについてご紹介いたします。
- 1.ファクタリングは全業種で利用できる
- 2.ファクタリングがマッチするシーン
- 2-1.つなぎ資金として利用
- 2-2.手数料以上の売上が見込める時
- 2-3.信頼性の高い債権を有している時
- 3.実際にあった活用事例
- 3-1.建設業を営むO社の活用事例
- 3-2.運送業を営むG社の活用事例
- 3-3.輸入業を営むI社の活用事例
- 4.特に建設業・運送業などにマッチ
ファクタリングは全業種で利用できる
冒頭でもお伝えした通り、ファクタリングは資産(資産)を売却しその対価として現金を得る金融取引ですので、基本的にはどのような業種であっても利用が可能です。
したがって「業種によって向き・不向きはあるのか」という考えはそもそも不要であるようにも思えますが、シーンによっては他資金調達法の方が効果的なケースもあります。
また、ファクタリングには多くのメリットがある半面でデメリットも多い資金調達方法です。
メリット・デメリットのおさらいと共に、有効的なシーン・各業種の特徴や分類について確認していきましょう。
ファクタリングがマッチするシーン
まずファクタリングはコストが高い資金調達方法であることを知っておかねばなりません。
繰り返し利用しなければならない状況を作り出すのは大変危険な行為であり、自らの首を絞めてしまう結果になってしまいます。
そのため、ファクタリングがマッチするパターンの具体例として、以下が考えられます。
シーンその1~つなぎ資金として利用
例えば、他売掛金の入金が入るまで・銀行融資の決裁待ちといったように「一時的な資金(つなぎ資金)」としてファクタリングはマッチします。
銀行融資はもちろんですが、キャッシングやビジネスローンなど、事業目的の借入は審査が大変厳しい上に時間が掛かります。
まとまった金額又は長期的な資金調達として利用するのはオススメできませんが、スポットでの利用としての活用は非常に効果的です。
また、運送業などは「石油の価格」で燃料費が大幅に上がり、黒字が急遽赤字に転じてしまうというケースも珍しくはありません。
このように運営コストが不安定な業種の場合、ファクタリングでキャッシュフローを調整するという手があります。
シーンその2~数料以上の売上が見込める時
早急にキャッシュフローを改善することで手数料以上の売上が見込めるのであれば、その資金調達には大きな効果があったと言えます。
例えば、工務店を営む会社に「家を建てたい」という依頼があった場合、下請け企業に業務の一部を委託するのが一般的です。
その際、ある程度の前払い金を支払った上で仕事を依頼するというケースが多く、売上を得るために相当の出費が必要ということになります。
また、商品を販売することで利益を得ている「小売店」「卸売業」「輸入業」の場合、当然商品を仕入れなければなりません。
同業種の場合、売れる可能性の高い商品をいち早く仕入れるためにファクタリングを利用する、というケースが多く見受けられます。
シーンその3~信頼性の高い債権を有している時
ファクタリングの手数料は、債権によって大きく変動します。
仮に市区町村から受注した工事代金や診療報酬債権の場合は買取金額が高く(債務者が破綻する可能性が著しく低いため)なり、赤字企業に対して有する売掛金は買取金額が低くなります。
売掛金の評価が低いとファクタリング手数料が20%程度にまで上がることもありますので、よほど切迫した状況で無い限りは避けた方が賢明です。
逆に前述した「信頼性の高い債権」を有しているのであれば、比較的低リスクでご利用が可能ということになります。
実際にあった活用事例
基本的な活用方法を押さえたところで、実際にあった事例を確認していきましょう。
建設業を営むO社の活用事例
O社はゼネコンから建設一式工事(新築工事や大規模修繕時に総合的な企画や指導を行い、建築物の完成を目指す種別)を請け負う建設業社です。
そのため、例えば鉄骨の組み立ては鍛冶屋・足場はとび職を営む建設業者・壁はタイルやサイディングを取り扱う企業といったように、設計に合わせて業務を割り振る(下請けに出す)必要があります。
下請業者に対して工事費用を一部ないしは全額前払いしなければならないケースも多く、完成時までにキャッシュフローが不足するというケースが目立ちました。
あるとき、いつもよりも金額が大きい工事依頼があり、下請業者への前払金によってO社のキャッシュは一時底をつく寸前にまで落ち込んだそうです。
数千万円ともなると銀行からの融資も厳しく、審査に通ったとしても実行までには多大な時間を要してしまいます。
そこで、O社ではゼネコンからの工事代金入金までのつなぎ資金として、ファクタリングを利用しました。
金額が大きかったため(最終的な調達金額は2,000万円)入金は2日後になってしまいましたが、キャッシュフローが一挙に改善したことで無事に工事を終えることができました。
運送業を営むG社の活用事例
運送業を営むG社では、安定した売上は確保できているものの、事故に伴う人件費の補填や車両の修理、燃料価格の高騰など「運営コストが不安定」という点に大きな不安を抱えていました。
特に、燃料コストについては世界情勢等に左右されるという特徴があり、企業努力だけではどうにもならないというシーンが多いそうです。
なお、全日本トラック協会が発表している経営分析報告書の運送原価(燃料油脂比率)によると、令和元年度は13.5%であったのに対してリーマンショックがあった平成25年度は21%となっており、8%以上の変動があることが分かります。
このように、運送業は運営コストとの戦いといっても過言ではなく、いかに出費・利益を安定させるかが重要です。
G社の場合、急激なコストアップに対応するため、ファクタリングによる資金繰りを採用することにしました。
反復継続した利用ではなく、コストが急上昇した際にピンポイントかつスピーディーにキャッシュを得ることが目的であるためです。
ファクタリングによって経営が安定し、G社の運営はより盤石なものとなりました。
輸入業を営むI社の活用事例
海外から衣類や雑貨、日用品等を輸入し販売しているI社は、仕入れに要する資金調達方法を模索していました。
考えられるのは銀行や消費者金融からの融資、カードローン、不動産担保ローン等ですが、売上状況によっては赤字決算となること・担保として使える不動産も保有していないといった理由から、選択肢が限られている状態です。
そこで、I社は毎月商品を卸売販売している売掛金を早期に現金化できないかと考えました。
つまり、仕入費用が大きい月はファクタリングによってまとまった早期現金化を図り、仕入費用が少ない月はファクタリングを避けるといった恰好です。
I社の狙いは見事的中し、手数料を差し引いても黒字となる運営スタイルを確立しました。
まさに「攻めの資金調達」とも呼べる経営戦略と言えるのではないでしょうか。
特に建設業・運送業などにマッチ
様々な業種で活用されているファクタリングですが、ご覧いただきました通り「建設業」「運送業」「輸入業」などでは特に利用されている印象です。
これらの業種は掛け取引が習慣として根付いており、ファクタリングに利用可能な債権が潤沢に存在しているという点が理由として挙げられます。
また、同業種では仕事を請けるため又は商品を売るために相当の手出しが必要である、運営に要するコストが安定していない等の特徴もあります。
更なる売上を目指したい・安定した経営を望んでいる、という経営者様はファクタリングをご検討してみてはいかがでしょうか。